吉祥寺ハイム

所在地 東京都武蔵野市御殿山
竣工 1971年(昭和46年)
施工 西松建設



前々から、こいつのことが非常に気になってました。
毎朝、中央線から見えるその姿が・・・
三鷹を出て吉祥寺へ向かう途中にヌーッと見えてくる
そのとてつもない姿が・・・





・・・あまりにも異様すぎて
何からツッコミ入れたらいいのかわかりませんが
とりあえずこいつは一体どこからどこまでがひとつの建物なのか・・・





・・・これでひとつの建物です。
細いビルが何本も林立しているのかと思ったら
こんなにバカでかい単一の建物だったんです。
しかも何という統一感のないデザイン。
部分部分がてんでバラバラに強烈な自己主張しているというか・・・
同じひとつの建物とは思えない・・・



   

そしてこの異様な本体の上にそびえる
高さ十数メートルはあろうかという巨大な十字架。
アンテナや避雷針ではありません。
疑いなく十字架そのものです。
十字架の下の本体部分の窓と比べてみてください。
優に4階分はあります。
1フロア天井高3メートルと考えても、単純計算で約12メートルです。
巨大建築に巨大十字架・・・謎すぎます。

これこそが、吉祥寺を代表する謎建築(?)
吉祥寺ハイムなのです。
「ハイム」というネーミングからも明らかなように
この謎建築、マンションなのです。





さて、電車を降りて地上から見てみると・・・
(上の一連の写真を撮るために、三鷹〜吉祥寺間を3往復しました
やはり異様なその姿・・・
周囲に広がる御殿山の住宅街を圧する巨大スケールです。
しかも最近のよくある大型マンションのような階段型ではなく
本当に壁の如く垂直にズドーンと立ちはだかっています。
それに加えて、このゴチャゴチャとしたデザイン・・・
彼方に広がる大メガロポリスを想起させます。
改めてですが、これでひとつの建物です。





すぐ近くから見上げるとこんな感じです。
こちらが電車から見えたゴチャゴチャした部分、西側です。
このマンションでは一応「裏側」に当たるようですが・・・
・・・やっぱりなんかぶっ飛んでます。
両側に壁のように広がる本体の上に
天に向かって垂直に伸びる構造物が林立しています。
巨大工場の配管や煙突のよう・・・
そう、これはまさに構造表現主義・・・
階段などの「部品」が明らかにそれと分かるように露出しています。





4本ある網目状の円筒の構造体はらせん階段です。
このらせん階段、となり合う2本づつでセットになっているようですが
よく見るとなんかおかしい・・・

向かい合う2本が鏡に映したようになっている・・・
つまり、右側と左側で逆向きに回転している!!
上の写真、右側は時計回りに昇っていく階段です。
一方の左側は反時計回りに昇って行くようになっています。
これ実際使う側だったら、右回りだったり左回りだったりで
酔っちゃったりしないかなぁ・・・
妙な所でこだわりを発揮するデザイン・・・





さらに近くをうろちょろしていると
(最近は不審者に思われないようにうろちょろするのが大変です・・・)
マンションのすぐ隣には教会が・・・
しかもマンションの十字架とかなりいい感じにコラボしてます。
なかなか絵になる角度・・・
改めて思いますが、十字架でっかいです・・・
そしてこの教会こそ、謎の巨大マンション
「吉祥寺ハイム」の(文字通り)鍵を握る存在だったのです・・・



次のページで吉祥寺ハイムの正体が明らかに!!

2008.12.2

一覧に戻る
地域別一覧に戻る
時代別一覧に戻る

inserted by FC2 system